ひとひら CLOCK ZERO ~終焉の一秒~ ExTime フルコンプ 感想 前編 忍者ブログ

ひとひら

乙女ゲーム作品中心に雑食。男女カプ大好き。

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CLOCK ZERO ~終焉の一秒~ ExTime フルコンプ 感想 前編


Vita版のCLOCK ZERO、フルコンプしてました!!
プレイ期間は4月24日~5月10日だったので17日間ですね。央ルートクリア後1週間ほど央ルートの余韻に浸っていたので、実質10日間くらいか。
私は数年前にPSP版プレイした時からのファンですが、Vita版をプレイして、PSP版プレイした時よりも深くハマりこんでしまいました!!主にVita版で追加された央ルートによるものが大きいかなと。普通に期待してましたがここまでクオリティ高いとは…!!





<物語>
CLOCK ZEROは未プレイの人にどこまで説明していいかの線引きがなかなか難しいですね…。
とりあえず基本情報は公式サイトの方で→CLOCK ZERO ~終焉の一秒~ ExTime公式サイト

この作品最大の特徴は、主人公も攻略キャラも小学生ということですね!主人公の九楼 撫子ちゃんは小学6年生、攻略キャラ達は小5が二人、小6が四人。
乙女ゲームなのに小学生!?と思って敬遠するのはもったいない!ほんともったいない…!!
公式サイトやPVやOP見るとわかると思いますが、ちゃんと大人キャラも登場します!!

前半の小学生編では特別課題を通してみんなと交流を深めつつ、特定のキャラと友達以上恋愛未満(淡い恋心くらい?)な関係を築き、後半の壊れた世界編では壊れた世界で生きる大人キャラと恋に落ちます。※撫子ちゃんも一応大人になってます
その特別授業とは、協調性に欠けている生徒計6名(+自主参加1名)に、放課後一緒に特別課題をこなしてもらって協調性を養ってもらう、というもの。
ちなみに、大人組は「放浪者」とか「情報屋」とか「ビショップ」とか肩書きみたいな名称になってますが、神賀先生とビショップとルーク以外は作中でその呼び名で呼ばれることはないです。みんなちゃんと本名あるので、作中ではちゃんと本名の方で呼ばれてます。※ネタバレに配慮したSS等では肩書き呼びになってたりします。

主人公の撫子ちゃんについてですが、乙女ゲームの主人公にしてはややクセは強めというか個性は強い方だと思うので、自己投影には向かないかもしれません。つまりしっかりキャラ立ちしているということなので、主人公も一人のキャラと考えて第三者視点でプレイする人にはとてもおすすめです!
自己投影はともかく、共感はしやすいんじゃないかなと思います。個人的には撫子ちゃんの気持ちとシンクロすること多かったので。撫子ちゃんの冷静なツッコミも好きです!私はあんなにはっきり物言えないしあんな行動力はないので、純粋に撫子ちゃん凄いなと思いました。少し気が強くて意地っ張りで頑固なところもあるけれど、真面目でまっすぐな優しい可愛い子で大好きです!!

この作品は、『時間』をテーマにした、切ない恋物語が描かれる時空交錯ファンタジーです。ファンタジーというよりSF寄りかなとは思います。魔法とか特殊能力系は出て来なくて、あくまでも発展し過ぎた科学技術によるものなので。
SFが好きで「時空交錯」ってワードが気になった人には特にオススメです!!ただ、SF的要素に関しては、あくまでも作品の舞台装置の一つと捉えておいた方がいいとは思います。この作品ではそれに関してそこまで詳しく掘り下げられるわけではないし話のメイン要素ではないので。

キャッチコピーは「君のいない世界なんていらない」
どのルートでもこの言葉、これに似た言葉が出てきますが、ヤンデレではないと思う…よ?病んでるっぽいものもあれば温かく切ないものも、攻略キャラが言う時もあれば撫子ちゃんが言うこともあり。温かく切ない系のが大半かな。様々な形の「君のいない世界なんていらない」を感じてみてほしいです。
いろいろな意味で手強いキャラばかりですが(笑)、最終的にはみんな愛おしくなると思います。それから、今を大切に生きようと思える。メッセージ性が強くて余韻たっぷりな、とても心に残る作品です。
全キャラ攻略後に真相シナリオを見ることができるので、ぜひフルコンプを!!


<プレイ時間・章>
私はじっくりプレイする方なので、共通ルート1周目は約8時間。個別ルートは鷹斗ルートと央ルートがそれぞれ5時間くらいで、その他の個別ルートはそれぞれ3時間半くらいかかったかな(各ルートBADエンド回収等も含め)。その他サブキャラEDやおまけや後日談などもあるのでボリュームたっぷりです。
既読スキップ・強制スキップ・シーンスキップ等あるので、2周目からは共通部分は結構短縮できます。

小学生編は、基本的には【特別課題→帰り道→ウサギ→夢】のサイクルが何回も続くので、そこを作業っぽく感じてしまうかもしれないのがやや難点…?
特別課題では、文字を並び替えて答えるクイズみたいな作業があります。Vita版では難易度も低くなってやりやすくなってはいますが、それでも面倒だと感じる人はいるかも。
帰り道でのちびキャラスチルの差分回収もちょっと手間がかかるというか、普通にプレイしてたら全回収できないので、攻略サイトを見た方がスムーズに回収できて良いかと。
というわけで共通ルート部分は少し手間はかかるものの、内容は面白いしそこでキャラ選択等あって細かく変わってきますし、合間に好感度の高いキャラとの個別イベントや後半に繋がる伏線や大人キャラたちの登場もあるので、気になって夢中で進めてしまうんじゃないかなと思います!

前半の小学生編はプロローグ~episode6、後半の壊れた世界編突入直後は二つの陣営ごとの共通シナリオ(episode7~8もしくはepisode7~9)、その後キャラ個別ルート(episode9~13もしくはepisode10~15)に入ります。


<追加要素等>
まずPSP移植時に追加されたのが、各ルート2種類ずつあるED(壊れた世界EDと現代世界ED)の後日談・すぺしゃる課題・スチルコメント等。今回のVita移植ではさらに
・現代世界ED後日談のさらなる後日談
・央 / 情報屋 が攻略キャラに昇格!!(既存の攻略キャラたちと同等の扱い!!)
・主人公のデフォルト名呼び機能実装!!
・シーンスキップ等システム面の改善、スチル追加、その他サブキャラシナリオやおまけ追加等々。BGMや挿入歌も何曲か追加。

という感じなので、CLOCK ZEROをプレイするならぜひぜひVita版でお願いします!!追加要素多過ぎて本編+FDみたいなものです!凄い!!本編ボリュームも結構あるしおまけも盛り沢山!!既存部分も追記修正されている箇所結構あるので、PS2版やPSP版と見比べて違いを探してみるのも面白いと思います!

修正パッチも既に配信されているので、修正パッチをダウンロードしてからプレイすることをおすすめします。パッチについての詳細は公式サイト参照。そこまで致命的なバグではなかったですが、気になる人はお忘れなく。

Vita版で攻略キャラに昇格した央は、最初から攻略キャラだったかのような扱いで期待以上でした!!その他の追加要素も素晴らしかった…!!
相変わらずBGMや挿入歌等、音楽面も良い仕事し過ぎですし演出面も!!シナリオも凄く丁寧なので、かなり惹き込まれると思います。


<攻略順について>
オトメイトブログに島Dがおすすめ攻略順書いていたので、その順番通りにやるのが一番良いと思います。→オトメイトブログ 2015.4.9.
※攻略順載ってるのは記事の真ん中辺りの「▼えくすたいむ語り」のところです。一応ここにも反転で載せておきます↓
<理一郎→円→寅之助→央→終夜→鷹斗>
※鷹斗は2周目以降に制限解除、央は円ルートと寅之助ルートクリア後に制限解除

鷹斗と央は攻略制限ありです。央最後でも良いかもと思いましたが、やはり最後は鷹斗が良いかと!!央と終夜は逆の順でも良いかも。でも央はCZ界の癒しだし公式のおすすめ通り真ん中あたりが良いかなあやっぱり。良い清涼剤になると思います。
攻略の際は好感度や個別イベント回収だけでなくウサギの色にも注意してください…!!メニュー画面の「情報」をチェック!
「情報」は、大人キャラに関しては本編での情報開示状況に応じて更新されていくので、その都度確認してみるとまた面白いです。ルートによっても微妙に違ったり。

それでは、ここからは詳細なネタバレありの感想ですので注意…!!


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では、公式のおすすめ攻略順の順番で語っていこうと思います。何度も言いますががっつりネタバレしてます…!!




加納 理一郎(かのう りいちろう)/ 放浪者 CV.前野智昭

小学生Ver.は小学6年生、大人Ver.は22歳。撫子の幼馴染。
加納外務大臣の息子で、茶道の師範免状を持っている。プリン大好き。
クールで無愛想で不器用だけどなんやかんやで面倒見が良い。
撫子との口喧嘩が日常茶飯事だけれどお互いに唯一無二で特別な存在。
みんなにいじられたりツッコミしまくったり撫子が鈍感だったりで結構不憫な苦労性。
小学生の頃はあまり素直じゃないけれど、大人になると子供の頃に比べたら結構素直に。不憫で苦労性なところは相変わらず。
央には「りったん」、円には「りったんさん」と呼ばれている。頑張れりったん!
壊れた世界での理一郎は、半強制的に政府【CLOCK ZERO】の一員にされ「ナイト」という称号を与えられていたことも。その後離反し反政府組織【有心会】に一時的に出入りしているが正式な構成員ではないらしい。撫子を助けるために一人で奔走している。

この作品のメインヒーローは鷹斗ですが、鷹斗と理一郎のWメインヒーローっぽい感じもします。いろいろな意味で正反対な感じなので、Wメインヒーローというより対のメインヒーローと言った方がいいかも。鷹斗が裏で理一郎が表みたいな感じ…?
幼馴染ということで王道要素満載ですが、物語の真相からは割と遠めなシナリオなので最初に攻略するのに向いてるルート。
理一郎は小6だけじゃなく回想で幼少期も出てくるんですが、その幼少時の声も前野さんが演じていて凄いです。プリンにしょうゆをかける課題で「プリンに対する冒涜だ」と言っていたのも印象的(笑)


理一郎ルートのテーマは「幼馴染の絆」ですね。
物語冒頭で鷹斗が転校してきて友達になるまでは、撫子ちゃんも理一郎もお互いしか友達がいませんでした。撫子ちゃんと理一郎は口喧嘩ばかりしてますがお互いに大切な存在です。似た者同士。
理一郎は物語開始時点で既に撫子ちゃんのことが好きですが、いつか撫子ちゃんが離れていくだろうとも思っていたので、どこかやさぐれてそっけない態度を取っている。そんな時に鷹斗が転入してきて撫子ちゃんと親しくなり、複雑な心境になる理一郎。やきもち全開です。でも好きなのになかなか素直になれない。もどかしいですね…!鷹斗としては撫子ちゃんは特別だけど理一郎とも仲良くなりたいと思って接してくるんですけどね。この三人の関係が絶妙でとても好きです。

小学生編では改めてお互いの絆を確かめていく感じでした。どうせ撫子は鷹斗のことが好きなんだろと思っている理一郎に対して、理一郎を喜ばせるような言動が多い撫子ちゃん。でも撫子ちゃんはこの時点では理一郎のことを恋愛対象としては見ていない感じですね。
鷹斗という憧れ尊敬する友達はできたけれど、一番大切で特別な存在は今までもこれからも理一郎!という気持ち。この時点ではまだ理一郎の片想いだとしても、二人の絆の強さは物凄く伝わってきました。幼馴染最強!!

この二人は幼馴染なので、幼い頃の思い出話も多くて幼馴染好きとしては本当にたまりません…!好きです!!
理一郎は幼い頃、木に登って降りられなくなり、降りれた後も一日中泣いていた泣き虫だった、とか。他の子にいじめられているのを撫子ちゃんがかばった、とか。
そして一番印象的だったのは約束。

一つ目の約束は、四つ葉のクローバーを探した時のこと。
理一郎は、ずっと撫子と一緒にいられるようにと願いたかった。でも四つ葉は見つからなくて泣いてしまう。そんな時撫子ちゃんが「……四つ葉なんてなくても、そんなのいつだって叶えられる。私が叶えるわ」と言ってくれた。

そしてもう一つの約束。
「私は、いつでも理一郎の味方でいる。いくつになっても、誰が理一郎の敵になっても、私は絶対理一郎の味方でいる。……約束よ」
「私、たとえ理一郎が犯罪者になっても理一郎の味方でいると思うわ」
「……強くなる。もう、泣かなくていいように強くなる、から。オレは、お前を守れるくらいに強くなる。……約束、するよ」
「世界を敵に回しても、たとえオレが犯罪者になっても、お前がオレの味方でいてくれるって、言うなら。オレは――何があっても、お前を守るから」
それまで泣き虫だった理一郎が、この約束以降泣かなくなったそうです。撫子ちゃんは、自分が言ってたことは覚えていたけれど理一郎が言ってくれた言葉は忘れていたというのがちょっと切ないというか理一郎ガンバ!って感じなんですが(笑)、でも幼馴染ならでは感じでとても好きです。


小学生編の時に夢で見た、そして後半の舞台になる壊れた世界は、小学生の撫子ちゃん達がいる2010年の10年後、2020年です。正確には近似値の時空の未来、ですが。独裁政権である政府【CLOCK ZERO】に支配されている、暗くて陰鬱な荒廃した世界。
理一郎は有心会側のルートなので、有心会が政府の動向を突き止め、壊れた世界の撫子ちゃん(22歳)の身体を政府から奪還。政府側の措置によって2010年の撫子ちゃん(12歳)の意識が壊れた世界の撫子ちゃん(22歳)の身体へ転送され、無事目覚めます。元の世界は政府側の措置によって「時の停滞」という状態に。

中身は12歳の撫子ちゃんですが、小学生編での夢で壊れた世界の22歳の自分の身体とシンクロしていたというのもあって、22歳の身体の知識・経験・思考等の影響を受けて精神も急激に成長するみたいです。12歳と22歳とじゃ脳とか身体の発達具合とかもだいぶ違うので、精神年齢が12歳のままでいられる方がむしろ不自然な気もしますしね。なので大人キャラと恋愛してても「中身は12歳なのに…!?」とツッコむのは野暮です(笑)
とはいっても一気に精神年齢が22歳になったわけではなさそうな気はします。10代後半くらいと認識すればちょうどいいのかな…?

壊れた世界での理一郎は、撫子ちゃんを助けることを目的として動いています。というかそれだけが目的です。
壊れた世界の9年前、2011年に撫子ちゃんは事故に遭って目を覚まさなくなってしまう。生きてはいるけれど、現在の医療では目を覚ます可能性はかなり低い。そしてその日のうちに撫子ちゃんが病院から忽然と姿を消してしまった。
理一郎はいなくなった撫子ちゃんを9年間ずっとずっと探し続けていたわけです。
政府の時空転移技術を盗み、別時空へ移動し撫子ちゃんが事故に遭うのを防ごうとして、でも救えなくて…というのを何度も何度も繰り返すということもしていました。目の前で最愛の女の子が事故に遭う光景を何度も何度も見ているんですよ…辛過ぎる…。
それでも精神保っていられる理一郎の精神力凄いんですけど、理一郎なりに心が壊れた状態でもあるんですよね…。とあるBADエンドではそれがよく表れていたと思います辛い…。

そんな理一郎の必死さを知った撫子ちゃん。
もし私が理一郎と同じように唐突に彼を失ったりしたら。……今の彼と同じように、必死になって彼を救う方法を探すだろう。たとえ、何があっても。たとえば、そう――あの世界のように。世界を壊したとしても、世界中を敵に回しても、どんなことをしても。
本当にこの二人の絆の強さ半端ない…!!

そして撫子ちゃんは、「この壊れた世界の理一郎は、この壊れた世界の九楼撫子のことが好きなんだ」と気付きます。今ここにいる自分ではなくて、「壊れた世界の九楼撫子」というのがポイント。だからこそ気付いたのかなと思いました。自分に向けられる想いには鈍感でも、端から見てる分には鋭いとかありますよね。

「壊れた世界時空の理一郎は、壊れた世界時空の撫子が事故に遭ったことがきっかけとなって、壊れた世界時空の撫子のことを好きになったんだ」と今ここにいる2010年の撫子ちゃんは思い込んでいる。でも今ここにいる撫子ちゃんは、そんな理一郎に恋をした。他のどの時空の理一郎でもない、この壊れた世界の理一郎に。
だから、自分を通して壊れた世界の撫子を想っている理一郎(と撫子ちゃんは思ってる)に対して、「理一郎が別の私を好きでも、私は理一郎が好きよ」とか「今ここにいる私を見てよ…!」とか言っちゃうわけです。これまたもどかしい…!この辺がなかなか複雑で難しいですよね…違う時空の同じ存在というのは。

でも理一郎としては、どの時空の撫子も大切な幼馴染で想い人なんです。撫子ちゃんのことを好きだと自覚したのも、あの事故がきっかけだったわけではなくて、もっとずっと前から。
お前は、オレが過去に縛られて別のお前に執着してるって思ってるかもしれないけど……それは、違う。オレはガキの頃からずっとお前に執着してるんだ。事故なんて、なくても。」
「別のお前なんて、見ていない。お前はお前だろ。オレが執着するのも、心を動かされるのも結局、お前だけなんだから」

「ずっと、好きだった。12歳の頃だって、とっくにお前を女として見てたよ」
理一郎の代表的な台詞だと思います。

理一郎の代表的な台詞といえば、「おいで」もそうですね!一番破壊力あります!!
確かインタビュー記事で前野さんが、この理一郎の「おいで」に凄く反響があったと言われていたような。追加後日談の某シーンでもこの台詞使われてたのは絶対意図的ですよ…!!確かに理一郎が言うと破壊力倍増してると思います!!

というわけで、理一郎も改めて今ここにいる撫子ちゃんと向き合い、お互い想いを伝え合って両想いになるわけですが、その後いろいろあって昔の約束のことを話したりして改めてお互いの気持ちを確かめ合ったあった後、我慢しなくなった理一郎の情熱的なこと…!!お互いに想いが溢れだしてて理一郎良かったね…!!ってなりますよほんと…!!報われてほしいキャラNo.1です。
このあたりで挿入歌が流れるんですが、本当に流れるタイミング良過ぎて…!どのルートでもこの挿入歌がベストタイミングで流れますが、個人的には理一郎ルートのこの場面で流れた時の印象が一番強いです。

理一郎は、この時点で既に撫子ちゃんを元の時空に戻すことを決めていたそうで(byスチルコメント)…。想いが通じ合ったのに、撫子ちゃんが帰りたいか否かは関係なく、強制的に戻そうとするわけです。撫子ちゃんのことが大切だからこそ。
撫子ちゃんは残留エンドだけでなく帰還エンドでも元の世界に帰るの嫌がってるんですけどね…。壊れた世界の理一郎に恋をして、ずっと一緒にいたいと思ったから。

撫子ちゃんを元の世界に戻すのを有心会の研究員たちに任せ、理一郎は元の世界に戻った撫子ちゃんが事故に遭わないように、事故原因の根本を断つために別時空へ向かおうとします。
現代帰還エンドと未来残留エンドがあるわけですが、そのどちらでも理一郎はそんな感じでもう理一郎…;;;; 最後の瞬間まで側にいるということもしないんですよね…理一郎らしいですが。
残留エンドでは、装置で戻されようとする撫子ちゃんが研究員たちの手を振り払って理一郎の元へ向かい、一緒に事故の根本原因を断ちに別時空へ。そうまでしないと残留させてくれない理一郎。いやもっと手強いキャラもいますが…。


理一郎ルートの残留エンドは特殊でした。
小学生編で、見知らぬ外国人が撫子ちゃんに話しかけて名前を聞いてきたということがありました。理一郎と撫子ちゃんが近似値の過去に飛んでこれを阻止し、その後壊れた世界に戻ってきます。すると壊れた世界だったはずの時空は、撫子ちゃんが事故に遭わず、世界も壊れずに済んだ普通の平穏な世界に作り変わっていました。

しかし本来は、過去を改変してもそこから新たに時空が分岐するだけで、他の時空に影響は出ないとのこと。つまり、いくら過去を改変しても壊れた世界はそのままなはずなんです。
撫子ちゃんが事故に遭わなくなるように過去改変したとしても、そこから撫子ちゃんが事故に遭わない時空が新たに作られるだけで、あの世界で起こってしまったことは変わらない。
その辺は鷹斗ルートや終夜ルートでも説明されています。

じゃあ何故理一郎ルートの残留エンドでは世界が作り変わったのかというと、世界にとって重要な分岐点である過去を改変すると、近しい時空が一緒くたに作り変わることがある、とのこと。
つまり、あの外国人が撫子ちゃんに話しかけたことによって撫子ちゃんが事故に遭い、それによって世界が壊れたということになりますが、それについては他のルートで詳しく明かされるのでここでは省略。
あの外国人が撫子ちゃんに話しかけるというのが世界にとって重要な分岐点であるのは何故なのかについては、全ルートの帰還エンドクリア後に見れる「はじまりの記憶」を最後まで見れば納得できると思います。理一郎ルートだけだと、やけにあっさりし過ぎていて消化不良だと感じてしまうかもしれませんが、フルコンプすれば全てが繋がるので…!!
このように過去改変によって世界が作り変わった(という描写が明確に描かれた)のは、理一郎ルートの残留エンドだけです。

理一郎ルートの残留エンドだけで世界が作り変わったのは上記の理由だけではなくて、理一郎だけでなく撫子ちゃんも一緒に行って過去を変えたからなのかなと私は思ってます。あとは理一郎の執念とか幼馴染パワーとかのおかげかな!(笑)
このエンドに関しては特例ということで深く考察し過ぎない方がいいのかも…?いろいろな人の感想見てると、やはりもやっと感じてる人が多いようですし。確かにこの結末のみだと納得いかないかもですが、数ある結末のうちの一つだと考えるとなかなか興味深い展開だったなと私は思いました。

そんなわけで、理一郎ルートの残留エンドだけは、壊れていたはずの世界が壊れていない普通の世界になっています。世界が再構築されているので、壊れた世界の記憶が残っているのは撫子ちゃんと理一郎だけ。時空が作り変わった瞬間、この2人は壊れた世界にいなかったから。そこがちょっとややこしいというか切ないというか…。壊れていない普通の世界だけど2人ぼっちみたいな感覚。
そして2人共いきなり大学4年生な生活になったのにどうにか順応してるの凄いです。特に撫子ちゃんね!小6からいきなり医大の4年生って大丈夫なのか…。一応秋霖学園だと小6でも高校レベルの勉強してるらしいのでなんとかなるのかな…?

元の世界がどうなったのかについては描かれていませんが、外国人が撫子ちゃんに話しかけるというのを阻止して近しい時空が一緒くたに作り変えられたということは、同じく近しい時空である元の世界も作り変えられた可能性が高いんじゃないかなと私は思ってます。元の世界の撫子ちゃんの体も、ちゃんと意識があって普通に過ごしてそうかなーと。
そもそも壊れた世界の人たちが干渉して特別課題が始まったり時の停滞が起こったりしたわけで、その壊れた世界時空自体が作り変えられたのだから、元の世界は壊れた世界の人たちが全く干渉しなかった時空に作り変えられたんじゃないかなと。…ということは、特別課題もなかったことになってるのかな…?


帰還エンドではそのまま強制送還されて元の世界の元の身体に戻ってきます。
元の世界の元の身体に戻ると、壊れた世界での記憶は徐々に失われていきます。基本的にはもって1ヶ月くらいだったかな。切ないですね…。
でも帰還エンドだとこちらの、元の世界側の攻略キャラと結ばれるので、撫子ちゃんとしてはやっぱり忘れた方が良いのかもしれません。壊れた世界での記憶を保持したままだと、元の世界のその人を通して恋をした壊れた世界側の人を思い浮かべて辛くなってしまいますからね…。そうしたら、自分を通して別の誰かを見ていると相手が感じてお互いに辛くなるだけかもしれない。だったらやっぱり壊れた世界での記憶がなくなるのは結果的には良いのかな…。
壊れた世界側のキャラとしては忘れられてしまって辛いでしょうが、もう二度と会えないわけですしねえ…切ない…。
帰還後の撫子ちゃんは壊れた世界での記憶を失うけれど、プレイヤーは全部覚えていますからね…。こういうもどかしさもCZならではの魅力だと思います。

壊れた世界の理一郎は残留エンドと同じように事故を阻止しに別時空へ向かったのだと思いますが、阻止した方法とかその後壊れた世界の理一郎や壊れた世界はどうなったのか…。基本的に残留エンドでは元の世界のその後が、帰還エンドでは壊れた世界のその後が描かれていない(※一部例外もあり)ので、プレイヤーの想像に委ねられていますね。そこがまた良いなあと思います。

現代帰還エンドで撫子ちゃんと理一郎が付き合い始めたのは高校3年生の頃から。遅い…!!(笑)
幼馴染ケンカップルもどかしいですね…!追加後日談で告白エピソード明かされてましたが、本当もどかしくて可愛かった…!!
そして理一郎にとってのラスボスは撫子ちゃんのお父さんかもしれません(笑)親馬鹿だからね!!幼い頃から家族ぐるみの親しい中だからこそ厳しかったのかなあと。本当は二人の仲を認めているのになかなか結婚を許してくれないという。もちろん最終的にはちゃんと認めてくれました!良かったね理一郎!!


理一郎ルートは徹底的に幼馴染の絆に焦点を絞っていた感じなので、物語全体の真相からは比較的遠めでした。
理一郎自身は撫子ちゃんを助けることだけが目的なので、それ以外のことに関してはほとんど明らかにされません。有心会側の事情や壊れた世界のことが最低限説明されるくらいかな。あとは例の外国人が何か関係していることくらいか。なのでもやっと感じる人も多いだろうなあとも思うんですが、その分幼馴染の特権をフル活用していて王道なので、この作品の導入に相応しいルートだと思います。
理一郎とキングが対峙しているところを見たかったという人も多いだろうなと思うし実際私もそう思いましたが、ゲーム本編で何故そうならなかったのかはフルコンプすればなんとなくわかるんじゃないかなと。あとは公式ビジュアルファンブックのSSとかドラマCD「Nobody knows the world ~誰も知らない世界~」等もぜひ!!



英 円(はなぶさ まどか)/ ビショップ CV.鳥海浩輔

小学生Ver.は小学5年生、大人Ver.は21歳。央の弟。
兄の央を妄信していて、央に関することになると独自の価値観で突っ走る。意地っ張りでマイペースで毒舌なところもあるけれど根は真面目で賢くて優しい家族思いの子。
合気道を習っていて、貴重な戦闘要員その1。手先が器用で小物作りが趣味。
大人になってだいぶ色気が出て夜の街が似合いそうな感じに成長。毒舌っぷりに拍車がかかってますが、真面目で賢くて家族思いなところは相変わらず。
壊れた世界では政府【CLOCK ZERO】の幹部、役職名「ビショップ」。技術系やその他雑務全般担当。政府組の中では比較的常識人で苦労人な中間管理職ポジ。

鳥海さんが子供ボイス凄い頑張ってます!!(笑)
小学生の頃は可愛いのに大人になるとどうしてこうなった…!!と思わずにはいられないほどの変貌っぷりですが、きっと最終的には両方愛せると思います。私もそうでした。
子供の頃は目が大きかったのに大人になって細目になったのは、子供の頃から弱視で目を細めることが多かったからかな…?私も詳しいことはわかりませんが、眼鏡やコンタクトレンズで矯正しても視力が上がらない眼のことを弱視というらしいです。


円ルートのテーマは「家族」と「罪悪感」だと思います。
円は兄の央を異様に妄信している言動ばかりで、本当にこの子攻略できるの…?と思っていた頃が懐かしい。円が央を妄信しているのにはちゃんと理由があります。
円は英家の養子です。赤ん坊の頃に本当の両親を亡くし、英家に引き取られた子。
英家の人達は、お父さんもお母さんも兄の央もみんな優しくて良い人たちで大好きだけれど、でも自分は養子だという事実に円はずっと思い悩んでいました。自分は養子だから、家族を妄信し褒め称えなければ本当の家族でいられないのではないか?円はそう考え、兄の央を妄信する言動ばかりなのです。家族に対して気を遣ってわがままも言わない。
一方で兄の央は、そんなふうに気を遣わないでもっと円の思うがままに生きてほしいと思いながらも、円の言動を強く否定できないでいます。お互いに間違った気遣いをしてしまっているんですよね。

それに気付いた撫子ちゃんがそれは不自然だと指摘し、「央の弟としてのあなたではなくて、円自身のことをもっと知りたい。円自身の考えを大事にしてほしい」、「家族に気を遣って我慢するんじゃなくて、もっとわがままになってもいいんじゃないか」と言います。そうして少しずつ撫子ちゃんに心を開いていく円が可愛い。
将来、央の作ったスイーツと円の作った小物が一緒に楽しめるお店を出してもいいんじゃないか、と提案したのも撫子ちゃん。それをきいて円が大いに賛同し、央に提案して央も大喜び。本当に可愛い兄弟です…!!三人で手を繋いで帰る場面もあって超可愛い。ここスチル欲しかったなああ!!
そして円が両親にわがままを言って英家系列の高級菓子店に撫子ちゃんを招待してくれます。家族にわがままを言えるようになったこと、そしてそれは撫子ちゃんを招待して喜ばせるために、ということにとても感動しました。円の成長っぷり凄い…!!


そして後半の壊れた世界編。壊れた世界での円は、政府のトップであるキングの命令で2010年の撫子ちゃんの意識を壊れた世界の撫子ちゃんの体に転送した男、ビショップ。政府【CLOCK ZERO】の幹部です。
ビショップに、自分は円だと明かされた撫子ちゃんは、元の世界の円との違いを思い知らされて辛くなります。本当によくわかります。プレイヤーと撫子ちゃんのシンクロ率凄い(笑)
元の世界での特別課題は壊れた世界のキングが干渉したことによるものなので、壊れた世界は小学生の時に特別課題がなかった時空。なので壊れた世界時空の円と撫子ちゃんは、面識はあれどそこまで親しく交流していたわけではなかった?ようです。でも何故か苛立った態度で接してくる壊れた世界の円。これまた複雑な事情がありました。

壊れた世界時空の2011年に撫子ちゃんが事故に遭ったというのは理一郎ルートの感想でも書きましたが、その時知らない誰かに電話で脅されて撫子ちゃんを呼びだしたのが円だったのです。その脅してきた人の言う通りにしないと家族が危険な目に遭ってしまう。そんなの絶対に嫌だ。そうして苦悩してその人の言う通りにしてしまった。その結果撫子ちゃんは事故に遭い意識不明に。
それによって円が思ったことは、このことを家族に知られてしまったら嫌われてしまう、いや、『嫌わせてしまう』のではないか。この人たちの家族でいる資格を自分で壊してしまったんじゃないか。いつか、彼らに家族をやめられてしまう日が来るのだろうか、ということ。もちろん事故の間接的な加害者になってしまった罪悪感もありましたが、ますます家族に対する負い目や執着心が大きくなる原因にもなってしまった。
その上、2016年に起こった「神々の黄昏」と呼ばれる量子爆発によって世界が壊れ、家族と離れ離れになってしまった後、撫子ちゃんを愛している政府トップのキングに半ば強制的に政府の幹部に任命されてしまったわけで、撫子ちゃんに対して抱く感情はますます複雑になりますよね…。

壊れた世界の円が撫子ちゃんを怒らせるような態度で接してくるため、撫子ちゃんも負けじと強い態度で言い返します。小学生の二人はそうでもなかったのに、壊れた世界だと円がからかって撫子ちゃんが泣いたり怒ったりして言い返すというケンカップルっぽい感じに。普通のケンカップルとはちょっと違う感じかなとは思いますが。撫子ちゃんの意地っ張りで気の強い面がよく表れているルートだなと思います。
最初はプレイヤー側としても円の考えていることよくわからないし態度酷いし…って感じなんですが、徐々に事情が明かされてきて、円と撫子ちゃんの言い合いにも慣れてくると可愛く思えてくる不思議。円撫可愛い!!
本当は怖くて辛いはずなのに気丈でいようとする撫子ちゃんを、円がわざと煽って泣かせてあげてるような場面もあります。実際、撫子ちゃんは思いっきり泣いてすっきりした様子。

そうしてお互いに少しずつ惹かれ合っていく中、撫子ちゃんが息抜きに円と一緒に外を探索している時に偶然ある人物に出会います。そうです央です!!
ここの央と撫子ちゃんのやり取り、からの円が割って入ってのドタバタ劇が凄く好きです。面白い可愛い!!央ルートだと、4年ぶりに再会してもお互いすぐに察するんですが、この時は央が撫子ちゃんを連れ去った(実際は助けてくれただけ)ので、円は央に対して「撫子さんを連れ去った男」という認識が大きかったようで、なかなか央だと認めようとしないんですよね。つまりは嫉妬心があったからかなと。その後撫子ちゃんの仲介もあってお互いに探し求めていた兄弟だと認識。

とりあえず円は一旦央と別れて政府に戻って撫子ちゃんを帰します。その後政府を出ていく準備をしてから央の元へ向かおうとし、撫子ちゃんのことは連れていけないと言います。
円にそう言われて、撫子ちゃんはいつの間にか自分も一緒に行く気でいたことに気付き、でもキングの想い人である自分が付いて行ったら円たちに迷惑がかかると理解します。そうして、付いて行きたい気持ちを必死で抑えて円を見送る撫子ちゃんが健気です…。円が家族思いなことは小学生編でも実感してますしね…。

そして撫子ちゃんを政府に置いて央の元へ向かった円。でも家族のこと最優先だったはずの円が、撫子ちゃんのことを気にかけて心ここに非ずな状態でいることに気付いた央。
「罠だろうが何だろうが、大事な人のところには飛び込めよ!……円、僕はね、嬉しいんだよ。ずっと家族のことしか考えられなかったお前が、この瀬戸際で迷ってる。いつだって即断即決のお前が、迷ってるんだ。僕は、ずっとお前に家族以外の特別を持ってほしかった。それがやっと叶ったんだ。……もう、気付けよ」
と円を後押しします。央は良いお兄ちゃんだなあほんと…;;;; 央は、円に対してだけは「お前」呼びで少し口調が荒くなることがあるの凄い好きです。お兄ちゃんっぷり発揮しててかわいいかっこいい!
その後政府に乗り込んで撫子ちゃんを無事奪還する円。それでも普通に余裕なキングが怖い…。

撫子ちゃんを奪還して拠点へ戻ってきた後凄く情熱的になる円。ケンカップルな言い合いは相変わらずですがとても甘いんですよこのカップル…!!糖度高いです…!!
でも奪還直後の情熱的なキスの後に想いを伝え合うんですよ。順番逆逆…!!(笑)円は撫子ちゃんの想いをわかっていなかったようで、撫子ちゃんに私も好きだと言われて驚いてて可愛かったです。


円ルートは、攻略見ずに進めていたら何度やってもBADエンドになった思い出が…(笑) 最後から2番目の選択肢と最後の選択肢の組み合わせに注意です…!

残留エンドだと、拠点を政府から遠い所へ移し、央たち中立団体と共に啓発活動を続けていきます。その後のキングの動向が怖いですが、央も付いてるし大丈夫なんじゃないかな。央に見守られてる甘々ケンカップルな円撫可愛い!

帰還エンドでは政府に潜り込んで政府の転移装置を使って撫子ちゃんの意識を元の世界に戻すわけですが、その時にキングが焦って乗り込んできてゴンッて嫌な音がするんですよね…。円どうなったの…。キングは精神攻撃は得意だけど命は大切にする人だし…とは思いつつもあの時ばかりはわかんないですねうーん…。
元の世界に帰還した撫子ちゃんが壊れた世界の円にもらったストラップを持っていたり(撫子ちゃんは意識の転送だから物を持ってくることはできないはず)、事故に遭わなかったり、ということを考えると、あの後壊れた世界の円がなんとかしてくれたのかな…そうだと思いたいです。

そうして元の世界に帰還した撫子ちゃん。気が付くと側に小学生の円がいてくれたんですが、今求めているのは壊れた世界の円。壊れた世界に連れて来られたばかりの頃は小学生の円に会いたがっていたのに、今ではあんなに嫌がっていた壊れた世界の円を求めている。その心情の変化が丁寧に描かれていて良かったです。切ないけど…。

帰還エンドで元の世界の円と撫子ちゃんが付き合い始めたのは、撫子ちゃんの中学の卒業式で円が告白してから。告白の仕方も円らしくて良かった。
現代での大人円は撫子ちゃんのお父さんに撫子ちゃんとの結婚の許しを得る時もマイペースで、でもきちんと撫子ちゃんへの想いを語ったので、若干渋られつつも割とすぐに認められてました。ますます理一郎不憫に…(笑)いやでもあれは理一郎を信用しているからこその態度だったと思うけどね!
そして、円と央が夢を叶えて一緒にお店を経営することが決まり、それもとても良かったです!嬉しい!!


円撫には央の存在が必要不可欠な気がします。上手いことバランス取ってくれているというか。本編エピローグやボーナストラックの後日談でも央大活躍です。本当に良いお兄ちゃん。
あと、大人円はピアス3つ付けてるんですけど、そのピアスの色がシルバー・赤・緑で、赤は央の目の色で緑は央の髪の毛の色ってこと…?だとしたら本当にお兄ちゃんっ子で可愛いな!!
円の一人称が「ぼく」なのも、央の一人称が「僕」だからなんだろうなあかわいい。
子供時代と大人で一番印象変わってるのは円と央ですよね。根本的には変わってないんですが、そんな風に成長するのかー!!という。
円と央の対比描写も上手いですが、それぞれの子供時代と大人になってからのギャップも凄い。
他のキャラは大人と子供でそこまで大きく印象変わらない分、この兄弟がギャップ要素をほとんど持っていっている感じですねーずるい…!!(笑)



西園寺 寅之助(さいおんじ とらのすけ)/ 反逆者 CV.杉山紀彰

小学生Ver.では小学6年生、大人Ver.では22歳。
サボりの常習犯で、売られた喧嘩は買う主義な不良っぷり。ゲーム好き。でも弟たちがいるということもあって、面倒見が良く常識人な面も。終夜の面倒を見ることが多い。貴重な戦闘要員その2。
こう書くと結構テンプレな不良キャラっぽいですが、それだけでは終わらないのがCZらしい…。
キレると自分でもコントロールできなくなる暴走っぷり等々怖くて凶暴な面や、ちょっと病んでいる面・ずれた価値観も。寅之助がオッドアイ設定なのは、こういう二面性を表しているという意図があるのかな…?
撫子には「トラ」、央には「トラくん」、円には「トラさん」と呼ばれている。
壊れた世界では反政府組織【有心会】のリーダーの息子で幹部。部下たちには「若」と呼ばれ慕われている。

寅之助は特別課題に全然参加してくれないし制限時間付き選択肢も多い(残り時間3秒の時に選択肢内容が変化することもある)ので、攻略難易度はやや高めかも。個別ルートに入ってからは楽かと。
個人的には、杉山さんボイスのぶっきらぼう口調キャラに弱いなあと再確認しました(笑)


小学生編での寅之助と撫子ちゃんはまさに「不良と優等生」な感じで、レインにも少女漫画の定番と言われてます(笑)ということで寅之助ルートのテーマは「不良と優等生の淡い恋」からの「凶暴性」とか「愛に飢えた獣」でしょうか。
撫子ちゃんは真面目でクールだけど真っ直ぐなので、不良少年な寅之助とも目を逸らさずに真っ直ぐに向き合おうとするんですよね。同じ特別課題のメンバーだからというのがきっかけだとしても、不良少年な寅之助のことを一生懸命理解しようとしていく。そんな撫子ちゃんに寅之助も感化されていって撫子ちゃんに興味を持つようになっていきます。やはり不良と優等生って相性が良いのかも。寅之助が自分の家に撫子ちゃんを呼んで一緒にゲームしたり、夜の学校に忍び込んでみたりしてて可愛い。

しかしそういう微笑ましい描写だけではなく、後半の壊れた世界編に繋がる凶暴性や愛に飢えているような面も描かれています。
一度キレると我を忘れて暴走してしまい、収まったらコロッといつも通りの雰囲気に戻っているというか…。突然キレてしまったと思えば突然落ち着く、という感じで急激に切り替わることがあるので相手は戸惑ってしまう。
それと寅之助は、父親である芳宗さんに暴力を振るわれたり育児放棄されたりしていました…。芳宗さんが自分の妻であるしぐれさんを好き過ぎて、息子の寅之助に嫉妬してしまったので…。そして芳宗さんは、寅之助が7歳くらいの時に寅之助と寅之助の弟たちを寅之助の祖父に預けた。そんな芳宗さんに対して寅之助は、「あんな奴に似てるわけない」と嫌っている一方で、自分の凶暴性等も自覚はしている。
寅之助のそういった凶暴性等は、寅之助自身の元々の性格と家庭環境の両方によるものかなと。
寅之助のそういう面を見たら逃げていく奴らばかりだったのに、それでも撫子ちゃんは逃げずに側にいてくれる・理解しようと向き合ってくれるので、寅之助としてはかなり救いになったんだろうなと思います。
個人的に印象的だったのは、
「九楼財閥のお嬢サマがオレなんかと一緒にいたら誤解されんじゃね―の?ワルい遊びにハマってる、とかな。名前に傷がついても知らねえぞ」
「こんなことで傷がつくくらいなら、お父様も財閥なんて解体してしまった方がいいと思うわ。友達と満足に一緒に帰れない家柄なんて、私はいらないもの」
という場面かな。撫子ちゃんかっこいい…!!


そんなわけで後半の壊れた世界編。壊れた世界での寅之助は反政府組織【有心会】のリーダーの息子で幹部。壊れた世界の撫子ちゃんを政府から奪還した有心会は、撫子ちゃんを政府と交渉するための人質にします。壊れた世界の寅之助は撫子ちゃんとは同じ学校だったとはいえ面識はなかったため、最初はただの人質扱いです。

寅之助は円の時と違って見た目も性格も元の世界の小学生寅之助とほとんど差はないですが、親しい友人だったのと面識のない人質とではかなり関係性というか扱いが違ってきますよね…。でも、元の世界の寅之助と重なる部分も感じて戸惑ってしまう撫子ちゃん。
寅之助としては交渉のために撫子ちゃんに対して実際にどこまでやるつもりだったかはわかりませんが、少なくとも有心会の長である芳宗さんは、最終的には撫子ちゃんの腕を切るぐらいやってもおかしくなさそうな感じで…怖い…。怖いけど、人質を使って交渉する上での合理的な方法に関しては説得力あってつい聴き入ってしまいました怖いけど…。

わざと警備を手薄にして撫子に逃亡を図らせ、逃げることがどんなに危険なのか、自分の立場がどんなものなのかを身を持って感じさせる、という場面もあってゾクッとしました…。これやったのは長ではなく寅之助ですからね…!?部屋を出てみたら事情を知らない有心会構成員から襲われそうになったり、長に脅されたり…。でも寅之助はそこまで想定済みだったと…。こんなこと平気でやるほどとは思ってなかったので、確かに長の言うように無意識に残酷な面もありますね寅之助。

そして、政府との最初の交渉が決裂してしまったため、今度は撫子ちゃんの髪を切ってそれを政府に送りつけて交渉中。このままここにいたらいずれは傷付けられてしまう。最悪殺されてしまうことだって……と考えた撫子ちゃんは、どうにかして逃げ出すことに成功。逃げ出す時の撫子ちゃんの気丈な様子に惚れます。かっこいい…!!
そして逃げた先で人の良さそうな青年に会って助けを求めようとするも追い掛けてきた寅之助に連れ戻されます。その時すれ違い際に青年が「もし本当に困っているなら、南地区のD35に来て。力になるよ」と言ってくれるんですよ!もちろん撫子ちゃんにだけ聴こえるように。これだけでも凄いかっこいい…。(※寅之助ルートです)

そうして有心会に連れ戻されてきて、撫子ちゃんは寅之助に対して「あなたは、トラじゃないわ。トラは……私の知ってるトラは、あなたみたいに残酷じゃなかった」と言ってしまいます。
撫子ちゃんは、【自分を人質として扱う壊れた世界の寅之助】と【元の世界で友達だった寅之助】を重ねて辛くなるのが嫌だった。違う時空だけど同じ存在なのだから、本当は壊れた世界の寅之助のことも信じたい。もっと踏み込めば自分の知っている寅之助と同じ面がみられるんじゃないか、と。
一方で寅之助は自分を否定されることに敏感になっているので、撫子ちゃんのその言葉にも過剰に反応して激高してしまい…。小学生編でも垣間見えた寅之助の不安定さが、壊れた世界だとより一層強調されている気がします。

でも、気が強くて真っ直ぐ意見をぶつけてきて、壊れた世界の寅之助ともきちんと向き合おうとする撫子ちゃんにだんだんと惹かれていく寅之助。撫子ちゃんも次第に壊れた世界の寅之助に惹かれていきます。
大きな転機は、政府の人が有心会に乗り込んできた時に、寅之助が撫子ちゃんを庇って大怪我した時だと思います。その後撫子ちゃんが必死で看病しているうちに、寅之助とはもちろん、有心会の寅之助派の人たちとも打ち解けてきて。まあ、そんな中で長が寅之助に内緒で撫子ちゃんを政府に引き渡そうとしてたりもしましたが…。

寅之助は撫子ちゃんに対する二人称の変化もポイント。元の世界の寅之助はずっと「お前」呼びで、壊れた世界だと最初は「あんた」呼びで徐々に「お前」呼びに移行していきます。
最終的には撫子ちゃんを人質として政府に引き渡すのが、誰かのものになるのが嫌になってしまうくらい惚れこんでましたね…!!独占欲強過ぎて、周りの男たちが被害を受けないかちょっと心配になります…容赦なさそう(笑)
一方で撫子ちゃんは「トラの全部が欲しい」とか言っちゃいます。今ここにいる、壊れた世界の寅之助を求めた撫子ちゃん。寅之助自身も持て余している自身の凶暴性を、他の誰かじゃなくて【私】にぶつけてほしい、と撫子ちゃんは伝えます。愛に飢えていた寅之助にとって、それがどれだけ救いになったことか。撫子ちゃんほんと凄い。

政府に撫子ちゃんを引き渡すのを阻止したことが良いきっかけとなり、有心会は若派(寅之助派)と長派(芳宗派)に分かれ、寅之助一派が離反するための条件は政府からしぐれさんを奪還すること。寅之助ルートでは後日談含めまだ奪還できてませんが、某ルートでは奪還できてました。あのルートほんと凄いなあ…。

ちなみに、BADエンドの一つである「ひとつめのとりかご」は撫子ちゃんが政府に捕らわれるエンドなんですが、PSP版(PS2版も?)とVita版では捕らわれた後の展開が違うので、両方持っている方はぜひ比較してみてください!ここ以外にもVita版で追記修正されている箇所結構あります。


残留エンドでは、以前「困っているなら力になるよ」と言ってくれた青年とも情報交換を通して交流しているんですが、「うーん、まだ秘密、かなっ」とか言ってまだ名前を教えてくれる気はないようです。プレイヤーとしては大体察しがつくし、某ルートプレイ済みなら完全にわかってしまってますけどね!(笑)
青年に、暴れると危ないとされる寅之助と一緒にいて本当に大丈夫かと心配されて「大丈夫。あれでいて忠犬なの、あの人」と返す撫子ちゃん最強。猛獣を手懐けちゃった撫子ちゃん。それにしても、理一郎の隠れ家で撫子ちゃんが他キャラといちゃいちゃしてるの見てるとちょっと複雑な心境に…(笑)


寅之助ルートの帰還エンドは衝撃的でした…。BADエンドの一つである「二人のトラ」も…。
帰還エンドでは、撫子ちゃんが元の世界に戻ってくると、「鷹斗神賀先生(一応反転)」の存在がなかったことになっている。その2人を覚えているのは撫子ちゃんだけ。その直後、壊れた世界の寅之助が手に血を付けたまま撫子ちゃんの元へやってきて最後に言葉を交わして消えてしまいます。つまり……。

寅之助の、目的を果たすためならどんな犠牲も厭わない面が強く表れていて正直怖いなと思ってしまいました…。でもそこまでしておいて、嫉妬して元の世界の自分を殺すことはせず(殺すBADエンドもあるけど)に、撫子ちゃんの今後を元の世界の自分に託しているんですよね…。あくまでも撫子ちゃんのためにしたことだから…。時の停滞を解除して、その後撫子ちゃんが例の事故に遭うことを回避させるために。
衝撃的過ぎて、PSP版プレイ済みだったのにこの結末はBADエンドだと思い込んでいたほどです…。でもBADじゃないんですよこれ…。寅之助は狂ってしまったというより、自分にできる方法で撫子ちゃんを守ったつもりなのがまた複雑な心境にさせられます…。怖いけど、撫子ちゃんへの強い想いや愛情は凄く伝わってきました…。

そして、挿入歌「そしてまた、ここから」の歌詞にある“この世界のどこでだって見守っててあげる”。主題歌集の歌詞カードに「気付いた方も多いかと思いますが、あるEDとリンクしています。」というコメントが書かれているのですが、おそらくこの寅之助ルート帰還EDのことだと思われます。寅之助ルートのepisode.13 のタイトルも帰還EDのタイトルも「この世界のどこでだって」だし、別れ際に寅之助が「この世界のどこでだってな、オレはお前を見守っててやるから」と言うんですよね…。
ということはやっぱり、あの後壊れた世界に帰ったのではなくてこの世界で消滅したってことなのかな…?そうだとしたら、あんなことをして無理矢理時空を捻じ曲げたことによる弊害かな…。終夜があんなに必死で「そのような方法で時空を捻じ曲げてはそなたの存在にも影響が出るのだぞ」と言って寅之助を止めていたし…。それとも普通にあの後壊れた世界に帰ったということなのか…?

その元の世界の10年後での寅之助と撫子ちゃんのやり取りは普通にほっこりしました良かった…。寅之助が撫子ちゃんの頭撫でてるの凄く好きです。寅之助の面倒見の良さとか愛情が良く表れていて。
この元の世界の寅之助は、凶暴性や病み要素が結構薄まって成長した印象を受けました。根本的な部分はもちろん変わらないんですけど、どことなく雰囲気が柔らかく優しめになったような。小学生の頃から撫子ちゃんと交流してきた影響なんだろうなあと思うと尊い…。
2人が付き合い始めたのは中学の卒業式から。それ以前から付き合っているも同然な感じだったようです。結婚がテーマの追加後日談も、寅之助は特殊な感じで凄くらしいなって思いました良かった。あれはあれでずるくないですか…!!

この世界の平穏や2人の幸せは尊い犠牲の上に成り立っているのだと思うとまた複雑ですけどね…。あの2人の存在はなかったことになってはいるものの、特別課題そのものがなかったことになっているわけではないとは思いますが…いやでもその辺について明言できるほどの情報なかったと思うのでわかんないなどうなんだろう…。
あの2人の存在がなかったことになっているということは、過去改変が起きたってことになるのか…?でも理一郎ルートの残留エンドでの過去改変とはまた違う気もするし…。
一応、他キャラの帰還エンドと同じように、課題で書いた10年後の自分への手紙は寅之助ルートの帰還エンド時にもちゃんと読まれてるんですよね。もちろん他ルートと同様にタイムカプセルを掘り起こした描写自体はないし、演出の仕方からして課題の有無の根拠としては薄いですが…。うーん、どうなんだろう気になる…!
でも衝撃的だったとはいえ、私はこれはこれで嫌いではなかったりします。寅之助というキャラクターだからこその結末だったなあと。


寅之助とキングは、タイプはだいぶ違うけれどファンの間で「ヤンデレ」って言われてるのよく聞きますが、私は2人共ヤンデレとはまたちょっと違うんじゃないかなあと思ってます。でもヤンデレの定義がよくわからなくなってきた(笑)2人とも病んでるっぽい要素は確かにあるからなあ…ヤンデレとは…!?
2人とも撫子ちゃんを大切に想っているのは凄く伝わってきたし、彼女に危害を加えたりもしなかったし…。(寅之助に関しては、撫子ちゃんを人質扱いしていた時は除く)
ただ、2人とも撫子ちゃんに関することになると周りが見えなくなることはあるかな…主に壊れた世界Ver.の方は。周囲の人たち大変そうだなあとは思います。
寅之助の場合は、ぶっきらぼうな不良だけど面倒見良くて常識人なところもあって、でもちょっとずれてる価値基準もあって、そして突然豹変したようにキレる時がある愛に飢えた獣って感じでしょうか…。ヤンデレ…?
一方でキングの場合は、命を大切にする人だけど精神攻撃は得意かもしれない…本人が意図してるしてないに関わらず。優しいんだけど優しさの方向性とかやり方が間違ってることがある人、かなあ。独善的なところがあるというか。あと過保護。絶対に檻から出さない、という感じの過保護さではなく、真綿に包みこまれてじわじわと、っていう比喩が合う感じかな…。
キングは、自分のルートではむしろ可哀想な人という印象が強いです。病んでるっぽいBADエンドもあったけども。他ルート、特に円ルートと央ルートだと病んでて怖いという印象が特に強いかもしれませんキング。


PSP版プレイ時、寅之助は一見ぶっきらぼうだけど実は優しいところもあって面倒見が良いテンプレ不良キャラって感じで結構好みだから楽しみ!と思って進めていたら、実際そこは間違ってないけど凶暴性とか病んでる要素怖い…!!普通にテンプレ不良キャラでよかったのになあ、とか思ってました正直。
今回Vita版をプレイしてみたら、そういう凶暴性や病み要素含めて寅之助というキャラクターなんだなときちんと受け入れることができてよかったです。衝撃的過ぎて受け入れられないと感じた人はぜひもう一度プレイしてみてほしいなあと思います。理解が深まったら感じ方も変わるかも。あとスチルコメントも!!聴いてあげてください…!!


というわけで、フルコンプ感想前編はここまで。
後編(央ルート・終夜ルート・鷹斗ルート・サブキャラED感想と総評)はこちら→CLOCK ZERO ~終焉の一秒~ ExTime フルコンプ 感想 後編

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